ライブによく行く人(特に女性)は耳栓を買ったほうがいい~ライブ難聴で耳が聞こえなくなりました~

仰々しいタイトルだなと思うけど、この間本当に怖い思いして反省したし、私自身とても勉強になったし、ライブ好きな人にはぜひ広く知ってほしいと感じたのであえて強いタイトルにしてみた。タイトルみてちょっと気になると思った人はぜひ最後まで読んで欲しい。
 

事の発端~楽しいライブ参戦、女性エリアの罠~

GW最終日。特に遠出の予定もなかった私は、この日のライブをとても楽しみにしていました。吉祥寺近くのライブハウスで友達と待ち合わせし、入場。番号も遅めだったので、そんなに近くで見れると期待してなかったんですが、中には下手側前方に女性エリアが設けてあり、思ったよりかなり広くスペースがとられてました。ラッキーだね、これはかなり近くで見れるね、と友人とワクワクしながら女性エリアに入ったんですよね。
女性でライブ参戦が多い方、なおかつ男性が多めのアイドル現場などに参加が多い人はよくわかって頂けるかと思うんですが、大抵女性エリアって以下の3パターンに設けられていることが多いんですよ。

【1】上手前方
【2】下手前方
【3】段差のあるステージ後方or2階

今回私は【2】のパターンでした。よくあるやつ。しかもアイドル現場の場合、背の高い男性が多いことを考慮してなのか、女性メンバーの士気を高めるためなのか、前方の方に幅をもって設けてくれてたり、優遇してくれることも多いんですよね。ありがたい。なので割と無理をしなくてもスピーカー前のステージに近い位置で観られることも往々にしてあります。
また、女性エリアがないオールスタンディングのライブの場合も、私はもっぱらステージの下手や上手前方に陣取ることが多いです。なぜかというと、ステージ中央って人も殺到して圧縮がキツいし、目の前に体格のいい男性がいたりするともう全然前が見えなかったりする。ので、わりと余裕のあるステージの両端前方を狙って位置取りをすることが多いです。

いよいよライブが始まり、会場は熱狂の渦に。しかし…なにこれ今日のスピーカーめちゃくちゃ音がデカい!!!!本当にデカい!!!!!今までもスピーカー近くにいることは何度か経験したけれど、今日のは耳が痛いくらいの大音量だ。これはしんどい…。つらさを我慢しつつ、ライブを楽しんでいたら、ぐらっと強烈な眩暈が。
「!?」
狭いハコだし会場の熱気もあるし、水分不足なのかな?と不安になってペットボトルの水を飲みました。しかし、水分不足の時の立ちくらみとなんか違う。こまめに水分は摂りましたが2~3回は眩暈に襲われました。

ライブが終わって、外に出たものの、耳が聞こえにくい。近くにいた友人も「耳がちょっとバカになってるね」「耳鳴りする」と。
その後は友人たちと私の家に集まり、ノートPCでライブ映像を観てたりしたんですが、聴こえる音がえらく小さい。MAXボリュームにしても「音量めっちゃ小さいね」「もっと大きくならない?」今にして思えば、ノートPCのスピーカーがショボいことだけではなく、その場にいた全員の聴力が、ライブの爆音のおかげで著しく落ちていたんじゃないかな。
友人達が帰った夜も耳鳴りが直らず、ものを食べいると自分の頭に響く咀嚼音とプラスしてサァサァシャリシャリという嫌な音がずーっとなってる。うお、こりゃひどいな、とりあえず寝て起きたらちょっとはマシになっているだろうか。その日はとりあえず床につきました。
 
朝起きて、家を出る。いよいよGWも終わったな~朝のテンションを上げるべく、いつものようにiPhoneからさしたイヤホンを何気なく耳に突っ込んで曲をかける。すると。
「あれ?なんか音が小さくないか?」
イヤホンジャックもちゃんとささってるし、ボリュームもいつも通り。ここに来て「そうか、音が小さいんじゃなく、私の耳が聴こえなくなってるんだ」と気づきました。こりゃちょっとやばいかもしれん、とツイッターで状態をつぶやいたらよく現場で会うヲタ仲間が「イヤホンしちゃダメだよ、病院行くか薬局行って薬もらって来たほうがいいよ」と即効リプライをくれました。その友人も以前フェスで耳をやられてしまって、通院したり耳栓を買ったことがあって、その前日の夜にも「耳がおかしいかも」と言っていた私達のツイートをみて「騒音性難聴は完全自然回復はせずに蓄積されていくものだからきちんと治療した方がいい」とつぶやいていたのでした。
寝て起きたら治ってるだろ、くらいに思ってたけど事態は予想以上にやばいのかもしれないとようやく理解し、会社にお願いして昼に抜けさせてもらって通院してきました。
 

耳鼻科で聴力検査すると全く聞こえない音がある

会社の近くの耳鼻科で、昨日ライブに行ってから耳が聞こえにくくなった旨を伝え、診察を受けました。
「そうか、ライブに行って耳が聴こえなくなった…。ロック系の音楽かな?」
「…はい。(アイドルとは言えない)」
「どんな風に観てたの?」
「会場前方で、ステージに向かって斜めにこう、観てたので、自分の左側の方にスピーカーがありました」
「眩暈はある?」
「今はないですが、ライブ中は何度か」
「うーん、大音量による聴神経のダメージ、いわゆる『ロック難聴』とか『ディスコ難聴』と呼ばれるものですね。念のため鼓膜が傷ついてないかチェックするよ」と耳の穴の中を検査されました。
その後は聴力検査へ。検査用の電話ボックスみたいな箱のなかに通されて、2種類のヘッドホンを頭にはめて検査しました。1つ目は健康診断なんかでよく観る青と赤のヘッドホンを頭に被って音が聞こえたらその間ボタンを押しててください、というもの。2つ目はは片耳に雑音を流してもう片方の耳の下にヘッドホンを当てて骨伝導による音の伝わり方を見るというもの。
無音の箱のなかでヘッドホンを被ると、昼時のためか、鳴り続ける私のお腹のうるさいこと。「ちゃんと無音の環境下でヘッドホンはめて意識を集中するとこんなに腹の音って聴こえるのか。テストに集中できないだろうが、静まれ私の腹!!!!!」
と動揺しながら1つ目の聴力テスト開始。腹の音の合間に鳴る電子音を聴きながら手元のボタンをカチカチ。
すると、特定のタイミングで、明らかに様子がおかしいことに気づきました。
 
「ボウボウボウ」
「カチッ…」
「ボウボウボウ」
「カチッ…」
「……………」
「(……ん?なにこの間?検査のお姉さん今明らかにボタン押してるよね)」
「……………」
「(どうして……?ヘッドホンから何も聴こえないよ…!?)」
「……………」
「(やばい、全然聴こえない。何かしら音が鳴ってるっぽいけどわからない。)」
「…ピーピーピー」
「(聴こえた!!)カチッ…」
 
こんな感じのやりとりを何度も何度も。すごく意識を集中しながら、頑張って音を聞き取ろうとするんですけど、明らかに間が空く時がある。
「私の耳元で音が鳴っているのに感じ取れなくなっている」
とハッキリ気づいた瞬間、背中がゾクリとしました。やばいやばいやばい!!なんだこれ!?ヘッドホンを被りながら狭い検査ボックスの中で焦って嫌な汗が出てくる。
もう1つの骨伝導のテストでも同じ。ボウボウボウという明らかな低音やピーピーピーという高音は聴こえるのですが、その間の中高音域がどうやらすっぽり聴き取れなくなっている。自覚すると途端に怖くなってくる。
軽くショックを受けながら再び審査室へ通されると、先生がテストの結果を見ながら「うーん、こりゃ典型的だね」
と言いながら検査結果のグラフを見せてくれました。

4000HZの音の部分だけぽっかり明らかな谷折りになっている。(この音域が聞き取れなくなるのは騒音性難聴の典型的なパターンのようです。)
「ライブで音がうるさい時は耳栓をするようにね。後ろの方にいたとしても、壁に跳ね返った音が耳に入ってダメージを受けることもあるから、耳栓が一番確実です。事前予防が大事だよ。」
「最近の若い人は携帯端末で音を聴くことが増えたでしょう。あれも最近はWHOなんかが注意喚起の声明を出してて、若い人でも難聴で困ってる人がすごく増えてるんです」
「今のタイミングなら薬でまだ回復するかもしれない。ステロイドを処方しておくので、こちらを飲んでまた来週検査に来てください。聴神経を休めるためにしばらくお酒は控えて。あと睡眠をたっぷりとってね。」
(回復するかもってことは回復しない可能性もあるってことだよな…)と内心ビビりながら、薬局に行って神経の血流をよくする薬とかと合わせて5種類の薬をもらい社へ戻りました。
 

耳は消耗品。積み重ねで失った聴力は完全に元には治らない

その夜、私は「ライブ 耳鳴り 聞こえなくなる」「うるさい音 難聴」などで片っ端から検索し、自分が置かれている状態をようやく理解しました。
 
治療法
1日や2日で自然回復する場合もあるが、症状が発生した場合は即座に、少なくとも1週間以内に耳鼻咽喉科や耳鼻科で診療を受けるのが望ましい。ステロイド剤、循環改善薬などの薬物療法や星状神経節ブロック療法などが行われる。しかし、蝸牛の有毛細胞は新陳代謝しないので、それらの破壊が重度の場合には耳鳴りやめまいなどの障害が一生残る可能性もあることには留意されたい。
 
音楽と音響外傷
ポピュラー音楽のライブなど、アンプを使って音を電気的に増幅するコンサートでは、終了後に耳が遠く感られることがあるが、これも音響外傷である。他の原因による音響外傷と同様に回復することもあるが、そのようなことを繰り返していると騒音性難聴となって二度と回復しない恐れがある。
 
「一生残る可能性」「二度と回復しない恐れ」ってなんか怖いフレーズばっかり出てくるよお!!絶望的な気持ちになりながら、大きな音でなぜ耳が聞こえなくなるのかメカニズムを調べてみた。
 
音波によって傷つくのは、内耳の蝸牛にある「有毛細胞」という感覚神経です。有毛細胞は音を感知、つまり入力する役割を持っています。この有毛細胞が死ぬと、音の入力ができなくなります。そして、有毛細胞は代謝しません。つまり、ほとんど自己修復しないのです。傷ついて死んでしまったら終わりです。すなわち「聞こえなくなる」のです。この状態が音響性外傷による難聴です。
KOWAI!!!!!!!
つまり、私たちの耳はダメージ蓄積型。うるさい音でダメージをくらうと聴神経の細胞が死んでしまって、一度壊れると、治らないということらしい。聴神経が損傷するって…。今まで四半世紀以上、擦り傷切り傷いろんな怪我をしましたが、外傷って目に見えるし自然治癒で治るじゃないですか。それが耳の中の話になると、見えないわけです。怪我してても気づかない。しかもほっといても治らない。これは怖い。考えてみたら視力だって一旦失うと自然治癒なんてほぼ見込めないんだし、そりゃあそうだよね。
どのくらい音が聴こえにくくなってるのか、イヤホンは怖いので部屋のiPadでそっとYouTubeを再生してみましたが、高音が前より聴こえにくい気がする…。ライブ映像なんかを聴いても演奏がうすっペらく厚みがない。いつもより聴こえる音域の幅が狭い。私は声の高い女性ボーカルやピアノや弦楽器の高音が好きなので、いつも聞こえてる音が聞こえないだけで、もう多大なストレスです。
大好きな音が聴こえなくなるなんて!!これ治るよね!????治ってくれ!!!!!と藁にもすがる気持ち。
 
ネットでも探してみると、私と同じような体験をしている方がたくさんいた。体験談を読むと皆一様に生々しい。どうかみなさんその後よくなっておられますように…!
<a href="http://masskaneko.hatenablog.com/entry/20090514/1259686156" data-mce-href="http://masskaneko.hatenablog.com/entry/20090514/1259686156">騒音性難聴体験談 - MassKaneko.Out</a>masskaneko.hatenablog.com
<a href="http://d.hatena.ne.jp/cabasa/20130915/1379251253" data-mce-href="http://d.hatena.ne.jp/cabasa/20130915/1379251253"> ライブ後の耳の違和感ー音響性外傷 - 全力で冗談です</a>d.hatena.ne.jp
<a href="http://chiebukuro.yahoo.co.jp/tag/tags.php?tag=%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E9%9B%A3%E8%81%B4" data-mce-href="http://chiebukuro.yahoo.co.jp/tag/tags.php?tag=%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E9%9B%A3%E8%81%B4">ロック難聴に関するQ&amp;A - Yahoo!知恵袋</a>chiebukuro.yahoo.co.jp
 

耳栓を買おう

「やべえことになった。とりあえずこれ以上悪化しないように、耳栓を買おう」
「ライブ 耳栓」などで検索をしていろんなページをみて、とりあえずAmazonでこれをポチりました。 
 お値段約2000円。100均の耳栓と比較するとかなりお高く感じるかもしれません。
ですが、
  • 100均の耳栓と違ってライブ用耳栓は遮音効果を持ちながらも音を楽しむことができる
  • 小型ケース付き。ライブ用ポーチに忍ばせておけば持ち運びが簡単。
  • そもそも病院代+薬代だけで2000円軽く超えてっから
  • 身体につけるものはケチるなってばっちゃが言ってた
などの観点から、ここはそれ相応のものをちゃんと買おうと素直に選びました。
CD一枚以下の値段で耳の健康保てるなら安いものだ。レビューを観てもライブ用や演奏用に購入されてる音楽ファンがかなりいるようですね。
 

耳栓が届いたよ

週末に耳栓が届いた。さっそく開封&装着してみる。

大・少の2サイズが入っている。真ん中に穴が開いているので、そこに芯を入れて調整するようです。

大を入れてみるとこんな感じ。奥まで入れると圧迫感が少しある。ねじ込まずに入れれば大丈夫かな。キツいようだったら小でもいいのかも。

ケースに入れるとこんなサイズ。ライブ用のポーチとかに入れておけば特に邪魔にはならなそう。
 

その後経過はどうか

大きな音を聴いたりするのが怖いので、週末は家でテレビも極力付けずに静かに過ごしました。気になるインストアライブも我慢。好きなお酒も泣く泣く我慢。人生から音楽とお酒がなくなるとすごく楽しくなくなりそうだな、早く治したいな、こういう時文章を読んだり書いたり、絵を描いたりすることが好きなインドア人間でまだよかった…と家で処方された薬を飲んで家のPCの前にいるのが今です。
ライブからはや5日が経過しましたが、まだ耳の聴こえには違和感があります。会話や日常生活には問題ないのですが、ライブ映像なんかを観ると、明らかに高音のギターが響いてこなくて、全体的に低く聴こえる。元々好きだった音、聴こえてた音が聞こえなくなると精神的に本当につらい。来週も通院予定なので、少しでも回復していることを祈ります。
ちなみに私の側にいた友人もその後病院に行ったそうですが、私ほどではなく、急激な聴力低下もなかったのでビタミン剤の処方だけですんだそうです。より私の方がスピーカーに近い位置にいたので、そのことも原因なのかも。(聴力検査の結果も、スピーカ側の左耳の方が悪かった)
 

自分の耳を大切にしてよい音楽生活を

今まで耳の健康なんてあまり気にしたこともなかったのですが、たった一回のライブで、痛みもなく、こんな簡単に聴力を失うことがあるんだと本当にびっくりしました。なので、私と同様、音楽が大好きで、ライブが大好きな人には、リスクと予防策をしっかり知ってほしいなーと思います。
ましてこれからは夏です。フェスも増える時期ですから。耳栓を買うなり、ライブ時の位置取りに気をつけるなり、各々しっかり自衛しましょう。
 
<ロック難聴を防ぐためにライブ参戦時気をつけること>
  • スピーカー近くは極力避ける。
  • 音がうるさい時は耳栓をはめる。
  • 耳鳴りや眩暈、聴こえ方に違和感を感じたら速攻病院に行くこと。
 
私の夢は60歳になっても元気にフェスに行くおばあちゃんになることです。
身体と耳を大切にしてこれからも末永く音楽を愛していきたい。
音楽好きのみなさん、耳の健康をしっかり守って楽しい音楽生活を送りましょうね。ソースさんとみんなの約束だよ。