なんで解散してしまったんだろう。今でもそう思う。
Tomato n'Pine、散開。
今でも旅先でその知らせを聞いた時の衝撃は覚えている。雨のやまない離島で友人と昼食をとり、スマホ片手に食後の雑談をしていた時。
「え、トマパイ解散だってさ」
「マジで・・・?」
「年末のライブをもって散開・・・。」
「マジか・・・なんでこのタイミングで」
「ね・・・これからって時なのに」
一緒にいた友人は私にトマパイを教えてくれた張本人だった。二人してただただ「残念だね」と言いながら、窓の外のどんよりした空を眺めていた。
あの時トマパイを追いかけるファンには「もしかして次のPerfumeになってくれるかも」という確かな期待があって、その熱気が今か今かと爆ぜる時を待ってるような、そんな雰囲気があった。売れる寸前の楽しさ、というのだろうか。ブレイクスルーの瞬間をみなで待ち望む。幸せな瞬間だった。
それがここにきてあっさりと解散である。
あっけなく年末の散開ライブを終え、トークイベントの暴露話を聞きながら
「ああこんなにも恵まれた環境と素晴らしい曲とスタッフが揃っていても誰かの意志で立ち消えるプロジェクトなんていくらでもあるんだな」
としみじみした。
今までアイドルなんてチャンスに恵まれなくて当たり前、積み重ねていろんなgoodが重なった結果、ようやく売れることができるんだと思っていた。
トマパイにはいろんなgoodが集まりすぎていた。
曲もよかった。3人もかわいかった。脇を固めるプロデュース陣は一流だった。
ファンの誰もが売れる!と思っていた。
でも降りたのだ。彼女たちが自分たちの意志でアイドルであることを、トマパイであることを放棄した。
それは他のだれでもない、メンバー3人の意志だから。
だましだまし走り続けることもできなかったんだろう。
あんまりにもあっさりした最後だったから、あまり感傷的になることもなく、ただ時々ふと思い出しては「あのままトマパイがアイドルを続けていたら」と妄想したくなる。そしてそれはそんなに悪いものでもなかったろうな、と思うのだ。
Tomato n' Pine - 旅立ちトランスファー - YouTube