さくら学院10年間の歴史に幕を閉じる最後のライブ「さくら学院 The Final ~夢に向かって~」とディレイLVに参加してきました。
さくら学院を知ったのは2012年度、現場に足繁く通い出したのは2013年度からなので、約10年近く見守ってきたアイドルグループの最後を見送ったことになります。
詳細なレポートなどはニュースサイトや他ブログに譲りつつ、今の気持ちを整理するためにも、思うことを率直に書き出して見ようと思います。
終わってしまって寂しい気持ちはあるんだけれど、最後まで見送れて本当によかった。これに尽きる。
このコロナ禍ということもり、無事ライブが開催できるのか不安な気持ちはあったし、地方から上京して参加する小中学生のメンバーはなおのこと心配だったと思います。
いろんなアーティストや会社が、日々リスクと戦いながら複雑な判断をしなければいけない昨今、ファンとメンバーが区切りをつける場所を設けてくれたことにまずは感謝したいです。
緊急事態宣言下の中野サンプラザは50%収容で、残念ながら現地で見送れない熱心なファンがたくさんいたこともここに記しておきます。現地に行けないファンにも直接、もしくはリアルタイムで見送れる機会を、運営側には提供してほしかった気持ちもある。いろんな事情があったんだとは思うけれども。
当日は在校生のライブパフォーマンスと卒業式・閉校式といったセレモニーに加え、ラストらしい初代メンバーの登場&初年度振り返りパートもありました。
登場した武藤彩未、三吉彩花、松井愛莉のオーラのすさまじさよ。森先生との掛け合いも含めてニコニコしちゃった。お金なら払うからこれ別個で時間とってやってくれや!!!という気持ちもあったけど(笑)
在校生のパフォーマンスはただただ素晴らしかった。
さくら学院ってどうしてもメジャーレーベル在籍時の2010年度~2014年度までがフィーチャーされがちだけど、グループ全体の完成度や成熟度としてはむしろその後の方が上で、見ていて毎年「今年のさくら学院はすごいな……!」という気持ちにさせられるすさまじいグループでした。森先生も話していたとおり「今のさくら学院が最高」と思わせてくれる信頼感があった。歴代のメンバーや職員室の先生方の努力の賜物だなと感じます。
奇しくも最後のメンバーになってしまった在校生も、コロナ禍で思うようにライブやイベントができないこと、自分たちの代で続いてきたものが終わること、いろんなプレッシャーや葛藤があったと思いますが、そんな中でも最後まで前向きな姿勢は、本当に頭が下がりました。観客には見せないところで、いっぱい泣いたり悔しい思いをしたんだと思うけれども、舞台をはける最後の最後まで懸命に涙をこらえるプロとしての姿勢にこっちも涙でいっぱいになってしまった。
アイドル戦国時代において、さくら学院は本当に稀有なアイドルグループでした。
成長期限定ユニットとして、人間としての成長そのままを、エンターテインメントとして観客に提供する。時にはイベント中に泣いてしまうメンバーもいたし、小中学生特有のむき出しの感情に、見ているこちらがハラハラしたり胸が熱くなったりする。ステージ上でのメンバーの真摯さに、いつも背筋がいつも伸びる思いでした。
さくら学院を卒業後、世界的なスターになった子もいれば、表舞台から去った子もいます。でも、卒業生が看護師資格とったぜ!!って報告してくれて、それを心からお祝いできるファンがいる界隈、めちゃくちゃハッピーだったと思うんですよね。
さくら学院の校則である「アイドルを超えた、スーパーレディーになる!」は、芸能活動を続けるか否かに関わらず、一人の人間として自分を誇れる人になってほしいという、子どもたちに向けた大人の願いそのものだなと思います。それは利益を追求するアイドルグループを超えて、教育機関を標榜するにふさわしい理念だったのではないでしょうか。
最後の卒業式、一番うるっと来てしまったのは、意外にも倉本美津留校長の言葉で。
「君たちは何者にだってなれるしどこにだって行けます。」
そうか、そうだよなあと。
これ、倉本校長はどこまで意識していたのかわかりませんが、さくら学院の前身でもある可憐Girl'sのタイアップ元である「絶対可憐チルドレン」に出てくる台詞でもあるんですよね。
「何にでもなれるしどこにでも行ける!」は、執筆当時ごく自然にサクッと書けたセリフなんだけど、絶チル以前に元ネタあんのかな。 RT @kirazou1 今日の夕方ニュースでVRのイベントでソニーの人がどこにでも行ける、何にでもなれるって言っていて興味深かったです。
— 椎名高志@『~異伝・絵本草子~半妖の夜叉姫』第1巻1/18ごろ発売 (@Takashi_Shiina) 2016年10月13日
絶対可憐チルドレンでは自らの特殊能力で周囲との断絶や孤独を感じる子どもたちが出てきますが、その子どもらを支えるキーフレーズとして登場しています。子どもの可能性を信じる大人にしか言えない言葉だと思うし、実際にこの10年間で職員室の先生方は生徒たちの一番そばでこれを実感してきたんだと思うんですよね。自分も10代の時にこんな言葉を言われたかったなあ。
ビジネス的にいえば、アミューズ主導の独立型次世代アイドル育成プロジェクトは一旦幕を閉じた形かなと思います。Perfumeを生み出したBEE-HIVEを第一期とするならば、BABYMETALを生み出したさくら学院は第二期。
現在は新作の「ラブライブ!」プロジェクトにアーティストマネージメントで関わり、一般オーディションで獲得した2名を子会社預かりで育成中にはなりますが、ラブライブプロジェクトはKADOKAWA、ランティス、サンライズなど複数企業による共同プロジェクトですから、自由度としては違ってくるかなと。
タレントを売り出して利益を得るには、大型プロジェクトと提携して従来のノウハウやリソースを活かすことが一番短期的な売上を得やすいのは間違いない。ただ、最初からその路線だったら、メタルでPerfumeやろうぜなんて採算とれなさそうな頭おかしいプロジェクトは絶対生まれなかったとも思うんですよね。
コロナ影響で業績が大きく落ち込む中、中長期的な投資は体力的に厳しいのかなと思うのですが、いつかまた次世代育成プロジェクトをなんらかの形で打ち出してほしいなと期待しています。
もちろん、卒業生も絶賛活動中ですから、まずはここを全力でバックアップしてほしい!これからも卒業生の活動を楽しみに見守っていきたいと思います。
森先生に会えないのが寂しいから、まずは「もちこみっ!」の公開収録からやってくれないかな(笑)
最後のライブを見ながら「あの子たちが明日からも、私の見えないところでもずっとずっと幸せであり続けて欲しい」と強く思いました。きっとそういう存在が「アイドル」なんだなと。
私はアイドルのことずっと宗教みたいなもんだって主張してるんですが、直接会えなくてもその人がきっとどこかに存在してる、それだけでがんばれたり背筋が伸びたりするって、もう神様じゃんって思うんですよね。
さくら学院父兄として、約10年間最高のアイドルを観続けられたことをとても嬉しく誇らしく思うし、最大の「ありがとう」を伝えたいです。
初代卒業生の他にも、たくさんの卒業生が駆けつけてくれました!みんなありがとう✨さくら学院は本日をもって閉校となりますが、皆さんの心にずっと桜が咲き誇りますように🌸🌸🌸引き続き36名のスーパーレディーへの道を応援してくださると嬉しいです!今までありがとうございました。#さくら学院 pic.twitter.com/517VVClnBe
— さくら学院 職員室 (@sakura_shokuin) 2021年8月31日