先週ZeppTokyoで行われた「BABYMETAL WORLD TOUR 2015 in JAPAN」に参戦してきた。
相変わらずのド迫力ライブ。
散々盛り上がって家に帰りTwitterのTLを追うと、早速ライブの感想ツイートや速報記事があがっている。
その中でも以下の記事が目についた。
よ、読みにくい。
同時にふと「最近読んだナタリー式文章術の要領でこの記事をなおしてみたらどうなるのだろうか」と好奇心が湧いた。
文章の練習もかねて試しになおしていってみよう。
気になったところ
この文章を読んで私が気になったのは以下のポイントだ。
- 誤字が目立つ
- 一文が長い
- スラッシュとカギ括弧(/や「」)の多様
- 句読点や文のつなぎ方が不自然
それらをなおしつつ、以下のように文章を書き換えてみた。
BABYMETALはとんでもない発明だ。
感動と情熱が恐るべき密度で渦巻くZepp DiverCityの中、改めてそう感じた。
従来のロックバンドでは決して手の届かなかった領域に、BABYMETALはエネルギッシュに飛び出していく。世界中の強面ラウドファンにここまで愛されることが、当初から計算されていたかはわからない。しかし2010年代の音楽シーンを振り返った時に、BABYMETALがロック・ポップ屈指の発明として回想されることは間違いないだろう。SU-METAL、YUIMETAL、MOAMETAL、3人の鮮やかなパフォーマンスが、今のBABYMETALを発明たらしめているのだ。
本格的な日本全国ツアーは今回が初。武道館、幕張メッセ、さいたまスーパーアリーナなどの大舞台に立ち、ついには海外ツアーまで成功させてしまったBABYMETAL。満を持しての全国ツアーが濃密なライヴとなることはわかっていたが、至近距離で観た生身の彼女らは予想以上に眩しかった。
詳細なレポートは、明日のライヴ終演後に公開するのでお楽しみに。
こんな感じだろうか。冗長に感じた部分は、極力削ったり言い換えたりしてみた。
人の言葉を言い換えるのは難しい。なんだかんだでなおすのに30分以上かかってしまった…。
客観的か主観的か。逆ベクトルのメディア
そもそもナタリーとRO69ではメディアの立ち位置がまるで違う。
前者はフラットな目線で事実を伝えること、後者はライターの分析をふまえつつエモーショナルに書き上げることに重きを置いている。
ただ、そもそも誤字脱字のある文章では意味がない。また、クセの強い文章では最後まで読まれるかも不安だ。クセのある文章=悪い文章というわけではないが、それが受け入れられるのは、書き手自身のキャラクターや掲載媒体などのバックボーンを、読み手がきちんと理解している時だけだ。好きなブロガーの独特の言い回しをファンは好んで読むが、SNS上でなんとなくクリックした記事が同じモチベーションでは読まれることはない。エモーショナルなロック文壇を雑誌「ロッキング・オン」が成立させることができたのは、雑誌を好きで買う読者がいて、個々のライターにファンがついているという前提があったからだ。
私がロキノンに求めること
じゃあRO69はどうすればいいんだよ。ナタリーと同じ、速報性に優れ、情報量の高い、フラットな目線のメディアを目指せばいいのか。
そんなことあるわけねーだろ。
私がこの記事に無性に腹が立ったのは、誤字だらけの読みにくい文章だったことだけではない。
ここまで世界中の強面ラウドファンに愛されることを当初からメンバー/スタッフ含め想定していたかどうかは不明だけど
いや、そんなん散々語り尽くされてますやん。KOBAMETALの過去のインタビュー読もうや。
やっぱりBABYMETALはとんでもない「発明」だった。
知ってたよ、わかってるよ。みんな言ってるじゃあないか。絶対こいつらあと2年後くらいに清竜人25は発明だ!って言ってる。
レポート全体が、BABYMETAL初見らしいファンの率直な感想という感じで、長年追いかけているファンからすると、正直全く物足りない。
はっきり言ってしまおう。
ロキノンが語るとBABYMETALはどうも薄っぺらい。浅い。私がロキノンに求めてるのはそういうことじゃない。
ライブレポなんてスピード勝負の世界は、もはやWEB媒体の独壇場なんだから、違う人に任せておけばいい。ロック文壇を作ったロッキング・オンがやるべきなのはそういうことじゃないたろう。
なぜ彼女たちのライブはあんなにも人を熱狂させるのか。
BABYMETALのメンバーとそれを取り巻く人々は、何を想っているのか。
そこにはどんなストーリーが隠されているのか。
それらを丁寧に紐解き分析して、議論していくことじゃないか。なのに世界でヒットしてようやく言及して「すごいですね」ってそりゃないぜ。
アイドルから進化したBABYMETALが、ようやく日本の音楽史の中で正当に評価される段階に来てるんだ。それを促進する役割をロキノンにはきちんと担って欲しい。
めんどくさいロキノン厨だなと自分でも思いつつ、日本のメジャー音楽誌が真正面から彼女たちを扱ってくれることを切に願う。
これだけ言ったからには、Perfumeみたいに、BABYMETAL表紙でロッキング・オン発売されたら絶対買わなきゃ。だから頼むよBABYMETALニ万字インタビュー!