二度漬け禁止

主に趣味の話(たぶん8割アイドル)のブログです。

劇場版ラブライブ!がBABYMETAL/さくら学院 菊地最愛ちゃんへの壮大な私信だった件~終わりのあるアイドルを推すということ~

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7月の初旬にラブライブ!劇場版「ラブライブ!The School Idol Movie」を観に行ってきました。三年生特典の色紙はにこにーだったよ。えりちかのんたん持ってる人は誰かソースさんと交換しよう!!

以前このエントリを書いた後、アニメ全話を観てすっかりラブライブ!にハマってしまいました。

sauce3.hatenablog.com

劇場版、映画館で泣きながら観たんですけど、ドルヲタ的観点で観ると本当に感慨深い点がたくさんありました。歌って踊って楽しいアイドルアニメの大円団として単に終わらせることもできただろうに、「アイドルを続けていくとは何か」というアイドルが避けきれない問いを軸に、きっちりと描き切ってくれた製作陣には拍手を送りたいと思います。

私のようなさくら学院やBABYMETALといったコンセプトに「終わり」があらかじめ含まれているアイドルグループを応援する者にとっては、「それな……!!!」とうなずいてしまう点がたくさんありました。

また、タイトルの通り、このアニメはラブライバーであるBABYMETAL/さくら学院 菊地最愛ちゃんへの壮大な私信であると思ったし、これを観た後の最愛ちゃんの感想が観たいなあと心の底から思いました。残念ながら、さくら学院を今年の3月で卒業してしまいブログなどで個人の意見が聞けない今となっては叶わない夢なのですが。

本エントリではラブライブ!で描かれているテーマを元に、BABYMETAL/さくら学院との類似点と、期間限定のアイドルの苦悩、なぜそれらが人を惹きつけてやまないのかについて考えてみたいと思います。

多分にラブライブ!劇場版ネタバレを含むエントリとなりますので、避けたい方はブラウザそっ閉じ、もしくは視聴後の閲覧をオススメします。

舞台は海外へ!日本発のスクールアイドルが世界へと羽ばたく

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(キャプチャは映画トレーラーより)


今回、主人公である穂乃果らが所属するアイドルグループ「μ's(ミューズ)」の舞台となるのはニューヨークです。ラブライブ!で優勝し、アイドルとしての活動が認められた穂乃果たちは、スクールアイドルをより盛り上げるため海外派遣されてライブをすることになります。初めての海外に女子高生の穂乃果たちは大騒ぎ。慣れない飛行機、豪華なホテル、初めて出会う街の人々…。

あれ、これなんかどっかで観た光景だな……。そうです。BABYMETALがさくら学院という学校をコンセプトにしたアイドルからスピンアウトして、本格的な海外展開が始まった頃を彷彿とさせますね。

海外から戻ってきたら大スターになっていた

μ'sは見事海外公演を成功させ、日本に戻ります。日本に戻るとサインを求める人の嵐&街中での追っかけ。海外での公演が日本でも中継されており、自分たちでも自覚しない間に大スターとなっていたのでした。これは海外公演の様子がライブ・ビューイングやfancamにより多くの人に閲覧され、すさまじいスピードでスターダムにのし上がっていくBABYMETALとリンクします。「目の前のライブを頑張ってこなしていたらなんかすごいスターになってた」という驚きは、インタビューの節々からも感じとることができます。彼女たちの海外進出のためにアミューズは海外支社を立ち上げていますし、株価にも大きな影響を与えました。

株式会社アミューズ 海外展開 ~ソーシャルメディア時代の新たな可能性~ | IR担当者インタビュー vol.80

ラブライブ!をドームライブが行えるような大型イベントに発展させるため、μ'sも「大人の思惑」に巻き込まれていきます。

期間限定のアイドルグループ。続ける?辞める?

元々アニメの2期では「3年生が卒業したらμ'sも解散しよう」と決めていた穂乃果たち。しかし、海外でのライブの成功がきっかけとなり、やめるにやめれない状況に。周りの大人たちからも「解散を考えなおしてくれないか」とμ's存続を勧められることに。

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BABYMETALファン的にはこれも「前にも見たぞこれ!」となる瞬間ですよね。2013年2月、BABYMETALがとった決断のこと。

BABYMETALは元々さくら学院の部活動(派生ユニット)の「重音部」として誕生しました。メンバーがさくら学院在籍期間中の課外活動としての活動であり、メンバーの中元すず香(SU-METAL)が卒業する2013年3月までには解散してしまうのではと思われていました。BABYMETALのメインストーリーには最初から「破滅へと向かって」「残された時間」など終わりを匂わせるフレーズが度々登場し、元々は期間限定ユニットという立ち位置でのスタートだったはずです。2013年2月のLEGEND“Z”がラストライブとなるのではと思われていましたが、解散はせず独立したグループとしてリスタートすることになりました。

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ベビメタZeppライブ、純白衣装で復活&活動延長発表 - 音楽ナタリー

そうなると「元々やめるって決めてたのに、続けちゃっていいの?」と悩むのはやはり本人たちなんですよね。当時を振り返るインタビューからも本人たちは相当悩んだんだろうな…と伺えます。

水野 さくら学院の中のユニットが卒業後もそのまま続いていくのって今までなかったから、すぅちゃん(中元すず香)はさくら学院を卒業したら1人で自分の夢に向かってがんばっていくんだと由結は思ってたんですよ。

菊地 そうだね。だからベビメタが1つのアーティストとして活動するという話が出たときは、これからどうなるのかみんな不安だったし、最愛もすごく悩みました。さくら学院の卒業生の活動に私たち在校生が混じっていくことや、ベビメタをやることでさくら学院の活動がおろそかになってしまうんじゃないかとか。そういう気持ちを先生たちとたくさん話し合いました。すぅちゃんもすぅちゃんなりにたくさん考えてくれて。

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そりゃそうですよね。母体となるさくら学院では義務教育終了とともに卒業が義務付けられていて、BABYMETALだけはそこのルールから飛び出してしまったわけですから。「売れちゃったから続けるでいいの?」「私のやりたいアイドルは?」なんて相当考えてしまったはずです。

結局、劇中のA-RISEのように、BABYMETALは学校を卒業しても独立したアイドルグループとして継続していくことを選びました。

映画の中で穂乃果は大いに悩みます。みんなで決めたとおりμ'sを終わらせるべきか、周りの大人たちの勧めに従ってμ'sを続けていくのがいいのか。私だってずっとμ'sでいられるならそうしたい、だけど___。悩んだ末に穂乃果たちは自分たちで決めたとおり、あんなに大切だったμ'sを解散することにしました。

いつまで続けるのか。これはアイドルである限り切っても切り離せない命題であり、アイドルにとってもファンにとっても、尽きない悩みでしょう。μ'sの選択も、A-RISEの選択もどちらも間違っていないし、どちらも正しい。どちらを選ぶにしろ、それ相応の覚悟が必要です。だからこそ、続けていくことを選んだBABYMETALと、終わることを選ぶさくら学院、どちらにも所属している菊地最愛ちゃんの気持ちが、私はとても知りたいなあと思いました。あの子は一体どんな気持ちでμ'sとA-RISEの選択を見守ったんだろう?どんな気持ちでこの映画を見たんだろう?さくら学院にいた頃のように、手書きの日誌で屈託のない感想が聞けたらよかったのに。そう願わずにはいられないんです。


さくら学院2014年度も3月に卒業式を迎え、生徒会長である菊地最愛ちゃんはこのように答辞を述べました。

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さくら学院最高!2014年度の思いを詰め込んだ涙の卒業公演 - 音楽ナタリー

とうとう今年も3月のこの卒業の日がやって来ましたね。これまで披露してきたたくさんのライブや公開授業、リリースイベント、何日も一緒に重ねてきたレッスン…全てが大切な宝物となって、ひとつひとつ思い出されます。答辞を読んでいる今も、これは夢で、さくら学院生活はまだまだ続くんじゃないかって思ってしまう自分がいます。もうこの10人で集まることもない…明日の朝になったら、私たちもうさくら学院を卒業したんだなって実感が押し寄せてくるのかもしれません。

__さくら学院2014年度卒業式 菊地最愛答辞より

同じ生徒会長である穂乃果もこんな気持だったのかもしれません。

アイドルの志は次の世代へと受け継がれていく

ただ、ラブライブ!劇場版はここで終わりではありません。穂乃果たちがμ'sを解散し、2年後の春。なんと雪穂と亜里沙があの廃部寸前だったアイドル研究部を引き継いで立派に活動している様子が描写されます。胸熱!!!そう、穂乃果たちの所属していたμ'sがなくなった後もスクールアイドル活動を続けた後輩たちがいて、穂乃果たちの志をしっかりと受け継いでいるのでした。

次の世代へと引き継ぐこと。これもさくら学院ヲタとして涙なしで観れないシーンでした。

さくら学院は年度ごとに卒業と加入を繰り返し、新しい世代がその年ごとに個性を発揮してまた新しいさくら学院の歴史を紡いでいきます。これがさくら学院、ひいてはスクールアイドルの魅力なのではないでしょうか。

ライブのリリースの予定も何もなかったさくら学院でしたが、今では一年で披露しきれないくらい曲も増え、こんなに広い会場で卒業式ができるようになるなんて__あの頃は想像もつきませんでした。でも、これは私たち10人の力だけではありません。卒業した先輩の皆さんがさくら学院生として道を切り開いてくれたからです。まずは、卒業した先輩方に感謝の気持ちを伝えたいです。

__さくら学院2014年度卒業式 菊地最愛答辞より

きっと穂乃果たちもこういう風に言ってもらえる先輩になったんだろうなあ。

終わりがあるからこそ輝くものがある

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ラブライブ!のスクールアイドルもさくら学院も、観ていて胸を打たれるのは10代ならではひたむきな若さ、それゆえの熱量と一生懸命さです。学校生活という限られた時間の中で、終わりがあるからこそ、今仲間といる一瞬一瞬を大事にしていこうという前向きな姿勢と、それを見送ることの切なさ。そこにどうしようもなく惹かれてしまうんですよね。泣きながら終わりを見守るんなら、終わらないものを追えばいいのに、散る花を愛でる日本人って本当ドマゾですよね。まあでもその感性、嫌いじゃないです。

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限られた時間の中で、精一杯輝こうとするスクールアイドルが好き。見つかったよ、答え。

__「ラブライブ!The School Idol Movie」穂乃果の台詞より

今の私たちならきっとどこまでだって行ける!どんな夢だって叶えられる!!

__「ラブライブ!The School Idol Movie」穂乃果の台詞より

まだ、15歳の私たちにとってさくら学院生として過ごした日々は長い人生からしたらほんの一瞬かもしれません。でも、それが全てといえるくらい、とても中身の濃い時間でした。2015年度のメンバー10人で作った思い出は全てが宝物です。本当は、まだまだみんなと一緒にいたい。この10人でもっと届けたい。だけど、私たちはスーパーレディーを目指し、前を向いて、進みます。

__さくら学院2014年度卒業式 菊地最愛答辞より

仲間とつくる濃密な日々を惜しげも無く最高にキラキラした状態で真空パックにするんだから、スクールアイドルって本当ずるいですよねえ。
ラブライブ!劇場版、アイドルヲタとして本当にいろんなことを考えさせられるいい映画でした。スタッフの皆さんには心から拍手を送りたいし、まだ観てない人にはぜひオススメしたい映画です。

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