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二度漬け禁止

俄然イカリ派。主に趣味の話(たぶん8割アイドル)のブログです。

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アイドル好きOLがBABYMETALを観にウェンブリー・アリーナへ行った話

「このライブに行かなければむこう10年は後悔するな」と思ったのである。
BABYMETAL、イギリスのウェンブリー・アリーナでワンマンライブ。収容人数は一万人を超える。
推しを見るとかレスをもらうとかもはやそういうレベルではない。
日本の音楽史上、歴史に残るおもしろいことがそこで起きようとしている。
この目で見届けなければ!!という謎の使命感とワクワクに煽られて、英語サイトで四苦八苦してチケットをとった。


推しの推しグッズを日本から届ける

一緒に行くドルヲタ仲間はイギリスに発つ前日に別のライブを控えていた。
3/31の東京ドーム。そう、アニメ「ラブライブ!」で人気を誇るμ'sのFinalライブである。
5時間立ちっぱなしのライブを終え、準備をして早朝の羽田空港で会ったその人は
「最愛ちゃんのためにのんたんグッズをゲットしてきたから……!」
と寝不足の顔で誇らしげに笑った。
注:BABYMETALのMOAMETALこと菊地最愛ちゃんはμ'sの東條希が大好き
アイドル現場をハシゴすることをドルヲタ界隈では「回す」と言うのだが、こいつは東京ドームからウェンブリー・アリーナを回そうとしている。

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これが、ドルヲタの業……!!

飛行機に搭乗した私たちはいろんな話をした。
そもそも現地で最愛ちゃんにのんたんグッズを渡せるプレゼントBOXはあるのか。
テロ対策とかなんやかんやで無理なんじゃないのか。
どうして日本からイギリスまでアイドル現場を回すような大人になってしまったのか。
話題は尽きることなく、気がついたらイギリスのヒースロー空港に機体は到着していた。


ライブ会場に辿り着けない恐怖

いよいよライブ当日。ロンドンでウェストミンスター寺院、テムズ川クルーズ、ロンドン塔の観光を終え、いよいよライブ会場へ向かう。


しかし、ここで大きなハプニングが起きる。
携帯していたレンタルWi-Fiの電池が切れてしまい、ネットに繋がらなくなった。
言葉もわからない異国の地でGoogleマップにつながらないことの恐怖。
イギリスの電車乗り換えアプリも使えなくなってしまったので、おっかなびっくりウェンブリー・パーク行きの切符を券売機で買ってみる。


電車に乗り込むも
「あれ????これ目的の乗り換え駅で止まらないぞ!!???」
とパニックになる。
すると同じ車両のお兄さんが
「どこ行きたいの?それはこの電車では止まらない駅だよ」
と教えてくれる。
慌てて次の駅で降りてホームをウロウロ。
「おっかしいな~この路線であってるはずなのにな~~」
すると近くのおっさんが
「どうしたん?どこに行きたいん?」
と声をかけてくれる。
片言の英語で
「この駅に行きたい」
と説明すると
「それならこの次の次の電車に乗れば行けるで」
と説明してくれた。


今回の旅で気づいたことだが、ロンドンっ子は本当に旅人に優しい。(もちろん例外もいるが)
交通機関で困った素振りをみせると必ず声をかけてくれたり助け舟を出してくれる。さすが英国紳士の国!!!!!!!
私も日本の駅で困ってる外国人には優しくしようと誓った。


ようやくでウェンブリー・パーク行きの電車が出ている乗換駅に到着。しかしまあ駅が広い。
「乗り換えこっちかな~」
と構内をわたわた急いでいるとBABYMETALのTシャツを着ている現地人っぽい女の子二人組に会った。
「あの子たちについていけばいいんちゃう??ラッキー!!」
後ろをついていくと向こうもBABYMETALTシャツを着たこちらに気づいたようで、チラチラと見てくる。ほぼ並行して乗換駅内を歩く。


だがしかし。
「おいあっちも迷っとるやんけ!!!!」
「ダメだ!!!あいつらジモティーじゃない!!!絶対田舎からライブのために出てきた子や!!!!」
乗り換えで右往左往する女の子二人組に(勝手に)翻弄される。
「お前らBABYMETALのライブ行くよな?乗り換えわかっとるよな?」
とお互いさぐりさぐりの状態でチラチラを様子を伺いながら
「あわよくば連れて行って欲しい」
と乗り換え迷子二組がさまよっている。


駅のホームで駅員っぽい人を見つけ
「ウェンブリー・パークにはこの路線で行けますか?」
と質問し、ようやく該当する路線にたどり着く。女の子二人組もこちらを見て
「あ、あの人達この電車に乗るからこれでいいっぽいよ」
と安心したようだ。お互い同じ車両に乗り、微妙に照れくさい空気になる。異国の地ですでに仲間になった気分を一方的に味わう。


しかし落ち着いて見てみると、向こうのグループはまだ顔も幼いしおそらく中高生くらいであろう。土地勘がないところをみるとイギリスの地方から今日のライブのためにがんばって出てきた子なんだろう。遠い異国の地でBABYMETALに同年代のファンがついているという事実に驚いた。この日のために一張羅であろうBABYMETALTシャツまで着て。
イギリスのみんなが、日本の10代の女の子を観るために、思い思いにウェンブリー・アリーナに集うのだ。すごい。


ウェンブリー・アリーナにはグッズを求めて長蛇の列

ウェンブリー・パーク駅に無事到着。
辿り着いたウェンブリー・アリーナ前の光景にぎょっとした。

開場前にも関わらず長蛇の列ができている。どうやらグッズを買うために早くから並んでいるファンらしい。
中には筋骨隆々の腕にデカデカとタトゥーの入った強面の外人もいる。
そんな彼らが、小雨降る中、列を作ってお行儀よく並んでいるのだ。
「こんな人達も『YUIMETALちょうかわぃぃいいい』とか言っちゃうんだろうな」
と思うと不思議と愛らしくなる。


Tシャツ付きのチケットを現地受け渡しで購入していたので、ボックス・オフィスに向かう。
窓口でチケットを受け取ったものの、Tシャツに関してはまだダメだという。どうやらグッズ列とTシャツ受け取り列がごっちゃになってしまい、すでに統制できないので、ウェンブリー・アリーナの中で入場したら受け取ってくれとのこと。グッダグダである。
Tシャツ受け取りが5時までと事前に案内されていたのでめちゃくちゃ焦ってきたのになんだよ!!!こういうところはさすが海外だなあ。


遠く離れた異国でご近所さんに出くわす

この時に窓口で同行者が驚くべきことを口にした。
「今窓口の近くにいた日本人、知り合いな気がする」
勇気を出して声をかけてみると、なんと同行者の実家の階上に住むご近所さんであった。
イギリスまでライブに来てご近所さんとばったりってそんなことあるのかよ。Facebookで私もつながってみると、同じ業界の人らしく知り合いが複数人いた。世の中狭いな!!


不思議な縁ですねーなどとご近所さんであるAさんとその周りの日本人のファンコミュニティに混ぜてもらい開場まで話をした。(ありがたいことにこの時USBケーブルを借りてWi-Fiの充電ができました。感謝)
Aさんは仕事で行ったインドネシアのAFA(アニメフェスティバルアジア)でBABYMETALにハマってしまい、それから海外公演にちょくちょく行くようになったという。アメリカのデトロイトから来た人や、沖縄から羽田→羽田からイギリスと飛行機を乗り継いで来ている人など、大遠征だ。みんな国内よりも海外公演で顔を合わせることが多いのだという。
「日本のアイドルグループなのにおかしいよね」
と笑う。
海外遠征組は、BABYMETALが海外での活動を本格化した頃から好きになった人が多く、元々アイドルファンではない人が多い印象だった。
単なるアイドルファンだけにとどまらず、いろんな層に幅広く愛されていることを実感した。


ミッションコンプリート

ようやくドアオープンしてウェンブリー・アリーナの中に入ることができたが、まだリハ中で席にいくことはできなかった。会場内のエントランスホールでTシャツを受け取ったり、グッズを買ったり、腹ごしらえをしてヒマを潰す。


のんたんグッズを最愛ちゃんに渡すというミッションがあったので、つたない英語で何人かのスタッフに
「プレゼントを渡したいのだがプレゼントBOXはあるか?」
と聞くと
「6時半から1階に置く予定だよ」
と言われる。
しかし時間になっても箱が置かれる気配はない。しびれをきらして事務局に半ば懇願するように尋ねてみると
「終演後メンバーに渡しておきますよ」
と引き取ってくれた。

中身は手紙とのんたんグッズなので決して金目のものではない。しっかりイケメンの事務局員がスタッフへ渡してくれて、最愛ちゃんの手元に無事渡っていることを願う。


9割の客は現地人

日本人のバンドが海外公演を行う時、現地の日本人コミュニティや日本文化好きの現地人が主な観客となることが多いと思っていたが、BABYMETALにはそれは該当しない。
会場内には日本人もいたが、ほとんどは普通の現地人だった。BABYMETALは一バンドとして着実に英国で浸透している。
会場に入れるようになり自席に着くと、改めてすごい眺めだ、と思う。
広さは幕張メッセのイベントホールより少し広いくらいか。

最初はガランとしていた会場に、時間が経つにつれ9割くらいは人が入っていた。SOLD OUTは伊達じゃない。
私は2階のスタンドエリアの最後部近くで、幸い出島の近くだったので、会場も見渡せるしメンバーの表情もよく見えるいい位置だった。
ここで、1万2000人と、BABYMETALを観るのだ。


ライブの最後はスタンディングオベーション

ライブが始まった。その素晴らしさはもはやここで書く必要はないだろう。
日本では1万人を超えるファンが早朝ライブ・ビューイングに参加していたし、現地でも大いに盛り上がっていた。
彼女たちは可憐で、凶暴で、痛快だった。いつものBABYMETALがそこにあった。
初披露となる「META!メタ太郎」は馬鹿みたいに楽しかったし、「GJ!」でYUIMETALとMOAMETALは最高にかわいかったし、「Amore-蒼星-」ではSU-METALは神々しかった。みんな熱狂し、笑い、悶え、夢中になっていた。
最後の曲「Road of Resistance」で1万2000人とのシンガロングを終えた後、会場は総立ちとなった。拍手はいつまでも鳴り止まなかった。長い長い拍手の雨の後、三人がこう告げた。

「You are also precious to me. I love you!」
「It is thanks to you that we are here today! We love London!」
「We are going back to Japan, but remember we are always on your side!」


アフターパーティーでメタル歴23年さんに会う

興奮冷めやらぬまま、再びAさんたちと合流する。近所でBABYMETALのファンコミュニティによるアフターパーティーがあるらしい。終わった頃にはすでに11時近くになっていて終電まであまり時間はなかったけれど、せっかくなので少しだけ顔を出すことにした。
ウェンブリー・アリーナから歩いて20分ちょっとくらいのバーへ小雨の降る中歩く。
バーは貸し切りになっていて、中に入るとライブ後でハイになったBABYMETALファン達がビールを片手に大騒ぎしていた。100人位はいたのではないか。みなグラスを片手に興奮気味に今日の感想戦を繰り広げている。

酔っ払った現地のファンが肩を組んで「メッタータローメッタータロー♪」とシンガロングしている光景に爆笑しつつ、95%が現地人の中、若干のアウェー感を感じていると、優しく声をかけてくれる一人の男性が。
「あ!!!!メタル歴23年の人!!!!!!!!」


「メタル歴23年の人」とはNHKのBABYMETALドキュメンタリーで現地のメタルファンとして放送され、メロメロになった顔を撮影されたことで有名な人である。

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その後来日し、BABYMETALの母体となるさくら学院の現場で度々目撃されていた。お名前はリー・カーターさんというらしい。

海外のメイトさん & 父兄さん 紹介 〜 メタル歴23年さん こと リー・カーター氏、その1 - されどロックな日々

所在なさげに立ちっぱにしていた私たちグループのためにわざわざ椅子まで持ってきてくれた上に、丁寧に日本語で名前を名乗ってくれた。一見強面な雰囲気とは裏腹に腰が低くて優しい人だ。リーさんと一緒に記念撮影してもらったことはとてもよい記念になった。
終電が迫っているのでやむを得ずその場を後にし、早足で駅へ向かった。


フランスのTSUTAYAでBABYMETALアルバムの海外盤を買う

イギリスに滞在した後、ユーロスターでフランスへ向かう。イギリスからフランスへは東京大阪間くらいの料金と時間で、電車移動ができるのだ。驚きでしょ?


イギリスでBABYMETALのセカンドアルバムの海外盤を買いそこねてしまったため、フランスで購入することにした。海外盤は日本盤と異なる曲が入っている。(イギリスではウェンブリー公演の後、各店でCDの売り切れが起きていたそうだからこの選択は正しかったと思う)
フランスのfnacという店舗に入るとそこは日本で言うTSUTAYAのような感じだった。広い店舗に複数階に渡り、ゲーム、DVD、CD、書籍などが置かれている。
CDコーナーに入って探してみると、新譜コーナーのいい位置にBABYMETALが置いてある。

メタルコーナー自体が売り場中でも広く展開されていることにも驚いた。ANTHRAXの新譜がデカデカと掲げられている。やはりメタルはヨーロッパでは身近なジャンルなのだ。


さらばイギリス!お土産は「The Sun」で

フランス観光を終え、帰りの飛行機に乗るために再度イギリスに戻る。ヒースロー空港から帰るその日、イギリスの大衆紙「The Sun」にはBABYMETALのインタビューが掲載された。

同行者は律儀に購入していたが、いざ飛行機に乗り込むと、入り口に大量に積んである。苦笑しながら友人の分も一部オマケに持って帰ってきた。


音楽で世界は一つになるかもしれない

ライブで放送される「メタルレジスタンスで世界は一つになる」という架空のアニメーションを観た時、それが本当になると誰が予想していただろう?
まして日本のアイドルグループが作り出した、相当に胡散臭い神話である。
それをここ数年でBABYMETALは本物にしてしまった。
瓢箪から駒。BABYMETALからメタルレジスタンス。

イギリスのあちこちで見たBABYMETALのセカンドアルバム「METAL RESISTANCE」の広告にはこう書いてある。

「THE GLOBAL PHENOMENON RETURN」
(世界的な現象が返ってきた)

この恐るべきBABYMETAL現象はしばらくやみそうにない。
叶うなら、一ファンとして見届けたい。地球の果てまでも。