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二度漬け禁止

俄然イカリ派。主に趣味の話(たぶん8割アイドル)のブログです。

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アイドルに恋焦がれる不器用な職人を描いた映画「堕ちる」を観てきた

寡黙で不器用な織物職人が、地下アイドルにハマってしまう物語を描いた映画「堕ちる」。上映会+ジェーン・スーさんが登場するトークショーに行ってきました。

以下は感想とともに本編の盛大なネタバレを含みますので、結末を知りたくない人はブラウザをそっ閉じして、とっとと観に行きやがってください。あれは観に行く価値のある映画だ。


簡単なあらすじ

群馬の桐生市の伝統的な織物「桐生織」の職人である主人公の耕平は、行きつけの床屋で出会った若い女の子にドギマギ。彼女は「めめたん」として活動する地下アイドルだった。ライブを観た彼はすっかりめめたんの虜に。
めめたん聖誕祭企画で、何かプレゼントしたいと悩むヲタ達。耕平は桐生織で作ったきれいな舞台衣装をプレゼントしようと決意するのだが…。

感想

アイドル映画としてこの映画を観に行くつもりの人に先に言っておきたいのですが、これはアイドルに萌える映画ではなく、アイドルに転がり落ちる冴えないおっさんに萌える映画であります。

とにかくまあ主人公の中年男、耕平さんが終始うだつがあがらなくてかわいい。

アイドルとの接触イベントで何もしゃべれない。めめたんの歌声をイヤホンを聞いてはノリノリ・ニヤニヤ。現場では古参TO(おそらく年下)からコール指導をうけおっかなびっくりのライブ参戦。仕事着の下にはめめたんTシャツを着るように。部屋の壁一面にはめめたんポスター。
ついにはつのる想いが暴走し、あろうことか仕事場で、めめたんに贈る舞台衣装を作り始めるのです。ひどい公私混同!!!


そんな公私混同の末にできた大事な衣装をプレゼントする聖誕ライブ当日、アクシデントにより彼は商売道具である右手を骨折してしまいます。衣装をプレゼントできた喜びも束の間、めめたんは東京でのメジャーデビューが決定し、地元を離れることに。悲しみにくれる耕平に追い打ちをかけるように、仕事場からのリストラ宣言。
ついには、全身全霊をかけて贈った衣装まで返却されてしまいます。
打ちひしがれた耕平は、プレゼントした衣装を着て、自分が紡いだ布を使い、職場の天井から首を吊ろうとします。すんでのところで布が破れて、自殺に失敗するのですが、ここの耕平さんが、まあ情けない。

劇中ほとんど言葉を発しない彼が唯一発した

「めぇえめぇえええたあああんんんんんん〜〜〜めめたぁぁあああんんんんん〜〜〜〜」

苦しそうに推しを呼ぶ泣き声が、本当に格好悪い。クソダサい。それが最高に哀愁を誘うんですね。

映画前半は、やたら現場でサイリウムを配るヲタやしゃしゃってくる古参など、細かいアイドル現場あるあるでガハハと笑っていた会場が、後半になるにつれ、シーン…となってくる。
この映画、観衆であるドルヲタ達にどこまでつらい思いをさせれば気がすむのか!!!

暗い結末かと思いきや、意外や意外、衝撃のラストが待っています。

自殺に失敗した耕平が着ていた衣装をみた工場の社長はこう言い放ちます。
「その衣装、いいじゃない!!耕平さんが作ったの?」


そして月日は経ち、桐生織の鮮やかな衣装を着たアイドルが歌い踊るライブが開催されています。かつてのめめたんヲタに囲まれるアイドルの顔を見てみると…あれ、めめたんじゃない??
そんな彼女を遠くから見つめる垢抜けた耕平と社長。なんと2人はアイドル運営として再起を図っていたのでした。
おい、そんなオチかよ!!!!!!!



ガクーッと脱力するような、でも「なんだかんだで耕平さん幸せそうだしよかったね」なのか…。混乱する観衆を置いてきぼりにして、さっさと映画は終わってしまいます。


トークショー内容

虚脱感でぼーっとする中、村山和也監督と、ジェーン・スーさんのトークが始まります。ここから特に印象的だったことを箇条書きで。

  • ジェーン・スー「最後、運営になった耕平さんを観て『えっ、そっちに堕ちるの??』と思った。運営は修羅の道ですよ。地獄ですよ。チェキ1枚いくらにしようかとか、耕平さんこれから考えなきゃなんないんだよ」(会場大笑い)
  • ジェーン・スー「アイドルのめめたんより耕平さんに萌えますよね。あれはプロデューサーにヲタがつくよ。『耕平担』とか書いたTシャツのBBAが湧くよ。ジャニーズみたいに。おばさんが煮物とか持って近寄っていく。『わかるよ〜わかるよ〜』とか言って」
  • ジェーン・スー「あんな豪華な舞台衣装を着せてもらえる地下アイドルはまずいない」
  • ジェーン・スー「耕平さんは自分の中にずーっと何かを愛したいという情熱があったんじゃないか。何かに一生懸命、身を捧げたいという思い。それがアイドルだったり、衣装をつくることに向けられたのでは」
  • 村山監督「きりゅう映画祭でコンペを通ってもらった予算は60万円」(!)
  • 村山監督「映画のコンセプトを思いついたのは桐生市に訪れて調査した時に、織物で有名なところだと知って。自分はアイドルのPVなどを撮っていたので、アピールできる企画を考えてこうなった」



30分間の短編映画でしたが、低予算映画の中では群を抜いてクオリティが高い作品でした。
アイドル好きな方もそうでない方も楽しめますし、ダメなおじさんに萌えたい方々の期待には存分に答えられるかと思います。
すでに予定されている上映会は終わってしまったようですが、これからの上映予定は公式Twitterなどで随時アナウンスされるようです。



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