二度漬け禁止

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BABYMETALのライブで紙芝居が減った理由 さいたまスーパーアリーナ公演を終えて

BABYMETALのさいたまスーパーアリーナ公演が終わった。

ライブ自体は相も変わらず最高に楽しく、壮大で、ひたすらにエモくて、私の肩は痛い(筋肉痛で)

BABYMETALのライブはいつも人と語りたくなるとても濃いライブなのに、終わるとスカッと楽しい気持ちと肉体疲労しか残らない…。終わったら忘れないようにいろんな言葉をTwitterにメモるように吐き出すんだけど、幸せな夢のように、語る側から忘却の彼方にいってしまう。

その中でも昨日特に印象深かったBABYMETALのステージ構成上の変化について書いておこうと思う。

 

 

「昨日は『紙芝居』が全然少なかったなあ」と思うBABYMETALファンは多いだろう。「紙芝居」とはBABYMETALのライブにおいて曲間に挿入される紙芝居風のアニメーション映像である。

ゆいもあがチャラ男についてったり、チェケラッチョコを食べたり、そのせいでSU-METALが二人を助けに行くハメになったり、「私もろう人形になりたいな」とか唐突に言い出したりするカオスなアレです。

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BABYMETALの「サウンドはマジだけど言ってることややってることはだいたいアホ」という気の抜けた部分を象徴する重要なパートなのですが、これが昨日のSSA公演は曲間に一切挟まれなかったんですね。

 

なんでだろうなあ、くだらなくて笑える紙芝居毎回楽しみにしてたのにな…とちょっと残念に思ってたのですが、これ意図的なんだろうなあと。

初期の頃のコミックバンド的なノリに比べるとだんだんガチのバンドライブに近づけてるからという見方もできるのかもしれないけど、それだけだとちょっとさびしい。

私が思うに、今やBABYMETALのメインストーリーである革命の中にいるのは我々オーディエンスで、私達が物語の中に組み込まれてしまったから。

昨日の冒頭の紙芝居は、世界中をライブで回ってメタル・レジスタンスを敢行した3人が日出る国・日本に帰ってきた、という内容で、そこからライブが始まった。紙芝居の中の画もほとんどが写真だった。それはつまりBABYMETALの物語が架空のストーリーから現実世界に変遷したことを意味します。

初期のBABYMETALはメタルの復権のためにA-KIBAに巣食うアイドルと戦うという架空の物語でしたが、それはあくまで第一章のお話。

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海外に舞台を移した第二章ではインターネット漬でリアルな体験の重要性を忘れてしまった人々を奮い立たせるところが物語の後半のキモとなっている。

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そして昨日、物語は世界に股にかける第三章へと移った。

 

BABYMETALはここ1年間で本当にたくさんの偉業を成し遂げた。

ドイツ、フランス、イギリス、カナダ、アメリカの5カ国で行ったワールド・ツアーは大成功。

ポップ・アイコンであるレディー・ガガとも共演。

ビルボードやiTunesに日本人としては異例のチャートイン。

世界中のメディアから賞賛の声を浴びた。

これらは全て私達が生きる現実世界に起きたことで、当初の紙芝居を軽く超える、本当に漫画のような出来事が次々と起こった。

 

現実は物語を超えてしまった。

そしてBABYMETALのストーリーは現実世界に拡張された。

 

メタルを聞いたことのない若者達も、BABYMETALによってメタルに酔いしれ心を動かされ、一同に集い声をあげている。それこそがBABYMETALが掲げる「メタル革命」であり、描いた物語は巨大スクリーンの中ではなく、観客の眼の前に広がっている。

それが昨日の紙芝居の異例の少なさにつながるのではないか。

 

そんなことを思いながら昨日痛めた肩と腰を懸命にストレッチしています。幸せだけど、痛い。

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