二度漬け禁止

主に趣味の話(たぶん8割アイドル)のブログです。

アイドルのバスツアーに行くオタクになってしまった

「ねえ、旅行行こうよ」
推しにそう誘われたら、果たしてあなたはどう答えるだろうか。

ちなみに私の場合咄嗟に出てきたのは
「いやー検討しますww」
だった。ダッサ!!!!

推し、卒業す


私が冒頭の誘いを受けたのは3/20の恵比寿リキッドルームのロビーだった。
ヒップホップアイドルユニットlyrical schoolのライブを観た後の特典会の話である。


アイドルのライブに行かない人向けに説明すると、アイドル界隈では、イベントやライブでCDやグッズを購入すると、特典券やチェキ券と言われるものがついてくることがある。その券でライブ終了後の特典会でサインしてもらったり、一緒に写真を撮ってもらうことができるのだ。その時にアイドルと少し会話ができるので、ファンは推しグループのライブ後にこの特典会と言われるものに参加することが多い。


前提を書いておくと、私はあまり積極的に特典会に参加するタイプではない。
人見知りだし、好きなものは神棚に置いておきたい派なので、ライブ後に特典会でCDを一枚買って「今日もライブ楽しかったよ」「あの曲よかった」「◯◯ちゃんかわいかった」といったことを話すので精一杯。
人によっては、CDを複数枚購入し、熱心に推しメンと話したりするのだが、そもそもそういうことをオタク人生でやってこなかった。
だって好きなアイドルと話すのってめっちゃ緊張しません???みんなよくできるな????


奇しくもそのライブの数日前に、メンバーといく北海道バスツアーなるイベントが告知されたばかりであった。
そもそもアイドルと一緒に旅行に行くってなに?????
うん、私も完全にそう思ってたわ。


アイドルと行くバスツアーというと、好事家からは半ばネタ的に飯田圭織とキッコーマンのウーロン茶が言及されがちだけども、一部の極端な例をのぞけば、この手の旅行イベントは当たり前に人気である。
過去にもリリスクには何度かこういった旅行イベントがあり、その都度楽しそうなレポートがファンから上がっていて、好評なのを知ってはいた。
ただ、アイドルやファンとの交流を極力避けてきたので、参加したことはなかったし、一生行かないだろうと思っていたのである。例え推しに誘われたとしても。


natalie.mu


「lyrical school、現体制終了」
そのニュースをSNSで見た瞬間
「ああ、だから誘ってくれたんだな」
と理解した。
私がこの手のイベントに参加しないオタクなのを知っているはずの推しが、なぜ声をかけたのだろうとぼんやり不思議に思っていたのだが、腑に落ちた。最後の思い出作りなのだ。


旅行行こうよとあの時彼女はどんな気持ちで声をかけてくれたんだろう、私は何もわかってなかったんだなあ、検討しますじゃねーよバーカバーカ雑な回答ではぐらかしてんじゃねーよお前!!!という感情で、ニュース直後はぐちゃぐちゃになった。
そうすると、今まで全く行く気のなかったバスツアーも

「推しがせっかく最後に声をかけてくれたのだから行くべきではないか」

みたいな気持ちになってきた。

推しは観たい。だけどバスツアーはハードルが高い。
他のファンと交流したいわけでもないし、そもそも推しと旅行するって何??
このまま現場のライブで「今日も楽しかったよ」と声かけるだけの人のままで終えたい。
ただ、誘われた札幌のバスツアーは、推しの誕生日で、行けば一緒にお祝いできるな……これが私がお祝いできる最後の推しの誕生日だな……という気持ちもあった。

すでにその日買っているチケットもあったし、いつもライブを一緒に観に行っている友人とうーんうーんとたくさん悩んだ。
悩んだ末に、「『あの時一緒に札幌行けばよかった』と後悔を残したくないね」という結論になり、札幌バスツアーに申し込むことになった。



私と推し


ここで私の推しこと持田妃華の話をしたい。


himeちゃんを最初に観たのは2013年のT-Palette Records感謝祭のこと。
まだhimeちゃんは前のグループであるアイドルラップユニット・ライムベリー (RHYMEBERRY)にいて、その時はまだ中学生だった。
初めてライムベリーのライブを観た時に「なんだこれ、めっちゃ楽しいな!!」と感動して、翌年2014年のライムベリー活動再開から足繁く現場に通うようになった。


本当にこの頃のライムベリーはファンの熱量もすごくて、これからどんどん大きなステージに行くんだろうな、という勢いがあった。
そんな最中、運営体制変更による突然のメンバー強制脱退事件。
いわゆる「大人の事情」でいきなり会えなくなった時は本当にやりきれなかったし悲しかった。
いちファンでさえそうなのだから、きっと本人の悔しさたるや相当だったと思う。
一度は芸能界を引退したものの、その後HIPHOPアイドルユニット・lyrical schoolに移籍し、2015年から活動を続けてくれていた。
足掛け10年近く定期的に観ているわけです。




その間にこれが








こうなる


びっくりするよね。初めて見た時は中学3年生だった女の子も、もう24歳。新卒2年目の年。時の流れ早すぎてびびる。
毎年年に数回ライブを観て、今日も楽しかったよと声をかける。
もうね、リアルな親戚の子よりずっと見てるの。そりゃこじらせるわ。

東京は夜の7時(にダッシュしてオタクは札幌へ行く)


運良く申し込みでねじ込んでもらえたのが札幌着のキャンセル分だったので、金曜の夜に仕事を早退して羽田空港へダッシュして新千歳空港へ。
今ってコロナのせいなのか、夜の空港ってマジで食うもの置いてないのね。羽田で晩御飯買って乗ろうとしたらマジで何も売ってなくてビビった。ひもじさを抱え、新千歳空港付近のホテルの近くで耐えきれずにゅうめんを買ってチンしてホテルですすった。来る前は悩んだけど、懸念していたほど5月の北海道は寒くなくて助かった。とっとと風呂に入り寝て起きて朝ごはんを食べ空港に向かう。



集合場所に着くとメンバーが普通にいるのにまずびっくりする。そもそも推してるアイドルが空港カウンターに普通にいるのめっちゃおもしろいね。
しかもメンバー働く。メンバーが旅行承諾書とか回収したり名前読み上げてネームカード渡したりしてる。稼働〜!!
ネームカードは自分の推しメンによる手書きの上、メッセージが添えてある。こんなん愛じゃん。
「来てくれたの!嬉しい」himeちゃんが意外そうに声をかけてくれる。そうでしょう。私が一番驚いています。

himeちゃんが書いてくれたネームカード。裏にメッセージが書いてあった。愛だね~

推しと動物園で遊ぶ


リリスク北海道バスツアー、1日目の旅程はざっくりこんな感じでした。


<1日目>

新千歳空港からバスで円山動物園へ
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推しメン毎に班に分かれ動物園を巡る&園内で各班昼食
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バスで移動しタワレコでリリースイベント(インストアライブ)&そこでhimeちゃんへのサプライズお祝い
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ホテルにチェックイン。ディナー会場へ移動。
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班ごとにわかれてジンギスカン食べ放題
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ディナータイムが終わったら一日目終了。各々自由時間



まずは新千歳空港からバスで出発。
搭乗の際にくじを引いて、番号順にバスに乗り込む。バスが動き出すと、参加者による軽い自己紹介タイムをはさみ、メンバーによるクイズ大会が始まりました。
リリスクにはrisanoちゃんという誰からも愛される天照大神タイプのファンキーなアイドルがおります。どれくらいファンキーかというと「ファンと一緒やろうと思って買った!」って旅先に楽天で買った長縄持ってくるタイプです。(※注:北海道ではやってません)
この日もファンために飛行機の中で熱心にクイズを考えてきてくれていたらしい。やさしい~。risanoちゃんのクセの強いユニークなクイズ大会によりバスの中は大いに盛り上がりました。めっちゃ笑った。



円山動物園に到着。ここから各メンバーについていく形でファンのみんなも分かれます。私はもちろんhime班へ。hime班は自分含め半分が女性ファン。男女ともに広く愛される推しの魅力実感しました。
マジでアイドルと動物園回るの、なにこれウケるカオス~~~~と内心思いながら、おずおずと推しについていきます。
最初はマジでどう振る舞ったらいいのかわからんなってビビってたけど、アイドルと動物を見てかわいいかわいい連呼しながらシャッター押しまくってたらだんだんキマってきた。
かわいいものがかわいいものを見ている、すなわちこれ幸福なんだね。


最初は

「動物園とか小学生以来だわ。マジで久しぶり過ぎる。なにいんだろ」
「みんなでランチ食べるところでずっとしゃべってようよ~」

とか、全然動物園にピンときてなかったhimeちゃんが、園内を巡るにつれ

「え!オオカミいるらしい!あたしオオカミ見たいんだけど」
「うちトカゲ飼ってたの、爬虫類見よ」
「みんな見て!アザラシ!!」

と段々テンションあがってくるのが傍から見ていて大変かわいかったです。




終始ファンのみんなが思い出の写真を撮れるようにずっと園内のあちこちでかわいいポーズを撮ってくれました。かわいいの天才か。

himeちゃん、「みんな何が見たい?」「何食べたい?」とか終始ファンを気遣ってくれてました。自分の誕生日なのに。いい子だなあ。


動物園を巡る間に他の参加者と会話すると、私と同じように、初めてバスツアーにきた人もいました。しかも1人で。勇気あるなあ。でもその気持ち、めちゃくちゃわかります。推しと最後に一緒に過ごせる大事な誕生日だもんね。


「みんなでおそろいのもの買おう」という天才ツアーコーディネーターhimeちゃんの提案により、hime班のみんなで同じハンドタオルを買いました。おそろっちかわよ。
「修学旅行みたい」ってにこにこしてる推しもかわいい。


私、ラストライブは絶対このタオルで涙拭いちゃうな。



タワレコで推しの誕生日を祝う


楽しかった円山動物園を後にして、バスは札幌のタワーレコードへ移動。メンバーが降りた後に、インストアイベントでのサプライズについてなど生誕委員のファンから説明があります。(※注:アイドルシーンにおいて、アイドルの誕生日をお祝いする際は、有志のオタクが生誕委員として、サプライズやお祝いのお花だしなどを準備することが多い)


その後ツアー参加者一同インストアイベントへ。ライブ中に隠し持っていた造花(推しの名前を刻んだかわいいリボン付き)を全員で掲げるサプライズを行いました。推しの嬉しそうな顔が見れてオタクなにより。生誕委員の人たち、仕切りがマジで熟練されてて「仕事場にいたらめっちゃ助かるタイプの人だ……」って感動した。(生誕委員のみなさん、ありがとうございました)


アイドルのいる夕食


その後はホテルにチェックインして各自夕食会場へ。
例年のバスツアーであれば、メンバーと一緒に御飯が食べれるそうなのですが、このご時世もあり残念ながらそれはナシに。4人席に分けられたテーブルで、くじびきで参加者同士で席につきます。
幸いくじの結果がよかったので、メンバーに近いテーブルでご飯を食べました。



アイドル見ながら飲む酒、世界で一番うめえ。
共通の話題があるので、テーブルでのオタク同士の会話もいい感じに盛り上がり、楽しくジンギスカン鍋をつつきました。
アイドル卓の様子を観察していると、ジンギスカン鍋に夢中のhinakoちゃんのロングヘアーが鍋について汚れないように、そばにいるminanちゃんが適宜横から髪をサッ……と持ち上げたりしてました。保護者の方?
メンバー同士が仲良くご飯を食べる様子が終始伺えて幸せでした。


会場ではお誕生日のhimeちゃんにバースデーケーキが渡される一幕もありました。みんなで手拍子するハッピーバースデー、幸せだったなあ。






リリスクのライブで感じる「刹那の楽しさ」


翌日はライブまで自由行動だったので、朝食を食べずに開店前の回転寿司屋・トリトンにタクシー移動。「炙りサバがおすめだから食べてみてね」と運転手さんに熱弁されたんですけど、確かにうまかったっす。
(余談:別の店舗がおいしくて有名らしくhimeちゃんはそっちに行ってたらしい)



回転寿司をたらふく食べたので、腹ごなしにライブハウスまで歩きながら移動。
ライブハウスに並んでると、優先入場のバスツアー組の他にも、地元民や他からの遠征と思われる人も多くて、リリスクが広い地域でいろんな人に愛されてるんだなあと嬉しくなった。

今日のスケジュールはライブ→特典会→バス移動→空港で解散。このライブが始まったらあっという間に旅も終わっちゃうなあとちょっと切ない。

ライブが始まった。最後のツアーという状況もあると思うのだけど、いちいち歌詞が胸に刺さりすぎる。リリスクの歌詞は、今この瞬間の楽しさをうたったものが多くて、「散る花を愛でる精神」というか、日本人らしい感性のヒップホップなんだなと改めて実感した。

美しい日々を
君と君と君と
君と過ごした
ミナン
ヒメ
リサノ
ユウ
ヒナコ
ねぇ どうしたい?
永遠(永遠)
永遠にDONT STOP PARTY
clap your hands NOW
clap your hands NOW
永遠にNOWがいいー!


___lyrical school 「NOW!」より


最後の「NOW!」はとても明るい歌なのに、卒業前のメンバーが歌っているのを見ると涙がじわじわ出てきてしまった。楽しければ楽しいほど切なくてきれいで、離したくない今を思って涙がこぼれてしまう。必死でこらえてキラキラしたステージを観てました。



海鮮丼を推しと食べながら人生について話す


特典会が終わった後は慌ただしくバスに乗り込み、再び空港へ。疲れてるだろうに、メンバーがクイズやってくれたりして、最後の最後まで楽しくしてくれました。おもてなしがすぎる。
その後は、再び各メンバー班に分かれ、空港でご飯を食べることに。hime班は海鮮丼を食べました。


同じテーブルでご飯を食べることになったんですけど、目の前で推しが海鮮丼もぐもぐしてる事実がマジで現実感なくてバグったよね。
推しの道重さゆみを見た大森靖子が「さゆが持つと牛丼のどんぶりさえかわいい」って言ってた感覚を完全に理解した。



一緒にご飯食べてる時に忘れられないエピソードがある。
テーブルで雑談してる時にhimeちゃんがふと
「ねえ、何歳の時が一番楽しかった?」
と聞いてきた。
「よく大人は楽しいとかって言うからどんな感じなんだろうと思って」


それを聞いた時に「そうか、ひめちゃんにはわかりやすいロールモデルなんてないんだな」と気づく。
同時に、これを素直に周りの大人に聞いてくれることに若さをめちゃくちゃ感じてしまった。そうか、目の前のこの人はまだ20代前半だった。
これを自分のファンに素直に聞いてくれるとこがいい子だなあ、とも。


30以降もそれはそれで楽しいよ、って答えたオタク達に
「それよく聞くよね!30代楽しみ〜!」
って答えてくれたhimeちゃん。
「この人が30代になるまで後6年か…それまでに少しでも世の中よくしておきてえな」
という気持ちになった。



himeちゃんが
「今日『NOW!』で泣くの我慢してた」
と話すオタク達に「なにそれかわいい」って言った後、こう話してくれた。


「私、就活とかしてないからよくわかんないんだけどさ、友達で『人の心を動かす仕事がしたい』って話してる子がいて。ふーんそっかって思ってたんだけど。ある時その子がライブ観に来てくれたのね。そしたらその子『ひめの仕事は人の心を動かしてるじゃん!』って言ってくれて。ああ、私の仕事は人の心を動かす仕事なんだーって。今日『NOW!』で泣いてるみんなを見て、そのことを思い出したの」


それを聞いて、himeちゃんにはそういうことを言ってくれる友達がいてくれるんだってめちゃくちゃ嬉しかった。
オタク達と「え~!めっちゃいい話じゃん……(泣)」となりながら仲良くご飯を食べました。ラブ&ピースじゃん。




海鮮丼を食べ終えた後、現地解散組の私と友人は班から離れて駆け込みでお土産を買い飛行機へ。
飛行機で羽田に着き、電車に揺られてうとうとしながら「私はなんで30代の方が楽しいんだっけな」とぼんやり考えた。


きっと、「20代で悩んでいたことがあんまり大したことじゃなかった」とわかったことが一番大きかった気がする。だから30代の今悩んでいることもあと10年したら「あの時あんなことで悩まなくてもよかったのにな」と思えるようになるだろうと気分が楽になるし、たぶんどうにかなるだろうと開き直れる。
そんなことを思っていたら、旅の疲れが一気にきたのか、電車でうっかり寝過ごしそうになりながら、なんとか家に帰った。


10秒2000円の世界では推しと人生について話す機会なんてないから、今回ツアー参加すごく悩んだけど、来てよかった。
持田妃華の解像度上がった結果、より好きになっちゃったな。あともう少しで会えなくなるのに。
でも、こういう切なさも思い出だから。最後まで楽しんでいこうと思います。



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現体制終了のアナウンスの際、1人だけグループに残ることを決意したメンバーのminanちゃんが「私、まだ今のリリスクで売れる気でいるから!」って言ってくれたとおり、最後の最後まで貪欲に楽しいライブをやってくれるはずです。
リリスクのライブ、基本的には何も前知識がなくても、当日行って身体を揺らすだけでも楽しめる強度の高いライブです。
この素晴らしいグループの最高のライブを少しでもたくさんの人に見てほしい。
私が好きな子たちのかっこよさ、かわいさで、たくさんの人が魅了されてほしいなと思います。おいでよ!

lyrical school 一般発売 | チケットぴあ


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